「盲目的な恋と友情」辻村深月　新潮文庫

タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近が、彼女の人生を一変させる。茂実との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。蘭花の友人である留利絵は、恋人に翻弄される様子を見て、付き合いに反対するが、蘭花を独占したい気持ちもある。親友として認めてもらおうとする。

恋は盲目なのである。外野がなんと言おうと、恋人が優先されるし、酷い目に合わされても、別れられなくなったりする。DV被害者の心理に近いのかも。好きなら何でも許せるようになる。自分の事で精一杯で、友人に配慮する事もできない。蘭花は、恵まれた家庭に育ち、苦労知らず、純粋なんだと思う。ミステリアスなところもあるけど、ちょっとドロドロしていたな。

表紙が、ヒグチユウコさんで、オシャレ。